一般的な知識として修験道、あるいは山伏、そして役行者というものは知っていた。でも、深い知識があったわけでもない。そんなとき、ふと読んだのが「はじめての修験道」だ。
ボク、”しのご”は凡夫である。精神的な現状から一歩ぐらいは前進したい。ここに答えがありそうな気がすると思い、読み進めたのだった。「役行者の教えのなかで、最も大切なもの。それが『実修実験』だ。『修行を実践して、体験を実現する』という意味で、同じことを『修行得験』と表現する場合もある」*1。要するに「きびしい修行を積んで自分自身の身体を鍛え上げていくことが、自分自身の精神を鍛え上げていくことに直結するように心がけなさい―それが役行者の教えだ」*2ということらしい。これは、やらねばなるまい。
続けて読んだのは「熊野、修験の道を往く 「大峯奥駈」完全踏破」。もう心は大峰山中に飛んでしまったのだった。
「凡夫のままで悟りの境地を得るものを山伏という」*3。これはもう山伏修行をするよりほかないではないか。そしてボクは、役行者から不動明王の四句の偈を授けられた鬼たち*4のように心を入れ換えたような気持ちになって(ここいらへんが、まだ凡夫だな)、修験道の山伏修行へ向かったのだった。